「オナカすいたよぅー」
「あぁ・・・そうだな」
2人は、女の子にもらった地図を見ながら、次の町へと向かっていた。
今歩いているのは、森の中。
暗くてこわい、深い森・・・

――というのではなく、光が適度に差し込む、自然とふれあう公園という感じだった。
「ほら、この先が町だ。」
クロアが、フェズに地図を見せる。
「うん・・・ついたらまずごはん食べようね」
「わぁったってー」
「約束だよーっ!!」
「あぁ・・・約束。」
「指きりげんまん♪♪」
「(元気になってんじゃんか、フェズの野郎・・・)」
フェズが駆け出す。
「クーローアー!!早く来てよ・・・町だよ!」
フェズが呼ぶ声に、クロアは仕方なく駆ける。
「あいよー。」
目の前の町は、とても大きな町だった。
ビルなどが建ち並び、人通りも多い。
公園から出ると、その差におどろいてしまう。
「お・・・すごいな、ココ。」
「ごーはーんーっ!」
「あいあい・・・」
店がならぶところまで行くと、フェズは迷うことなく1つの店に入る。
イタリア料理店だった。
ウェイトレスが水とおしぼりを運んできた。
「ありがとー」
「サンキュ」
「僕エビグラタンください。それから、ミックスピザと、コーラ。」
フェズは、メニューも見ずに言う。
「早いな・・・オレどーしよっかな。
 スープスパゲティにするか。サラダと、同じくコーラ。」
ウェイトレスが注文を聞き返す。
「――以上でよろしいですか?」
「うん!」
「はい。」
「では、少々お待ちください。」
店内の客は、クロア・フェズの2人と、同年齢ぐらいの男3人の5人だけだった。
クロアとフェズは、店内なので少し声を落として歌っていた。
「空の 果てまで 届け 僕等の歌――」
「なぁ!」
『!?』
いきなり客の1人の男の子に話しかけられ、クロアとフェズはおどろいた。
「な・・・なに?」
「何だ?」
すると、他の2人も寄ってきた。
「おどろかしてごめん。その歌声気に入ってさ」
クロアとフェズは、どういう意味なのか理解できなかった。
「あぁ、サンキュ・・・って、どういう意味で言ってんだ?
 あんた誰?」
その男の子がにかっと笑う。
「俺はファイ!俺ら3人でバンドつくろうとしてんだけどさ・・・
 どうしてもいいボーカルが見つかんなくてよ。
 あ、ちなみに俺がギター」
すると、女の子も話し始める。
「あたしはルイ。担当はベースなんだ!
 かっこいー女の子じゃない??よろしくぅ♪♪」
最後に、もう1人の男の子が話す。
「私はサラク、ドラムの担当です。
 見た目はおだやかそうだと言われますが、そんなことないんですよ。
 音にノリまくってますからねw」
跡に続いて、クロアとフェズも自己紹介をした。
すると、注文していた食べ物が運ばれてきた。
フェズが言う。
「僕すっごくおなかすいてるからさ・・・食べるよ。
 話の続き、あとでいい?」
ガイが言う。
「あぁ、もち。でもよ・・・ここってのもなぁ。」
すでに客は増え始めていた。
「じゃぁさ、森林公園で待ち合わせしないっ?」
ルイが提案した。
クロアが答える。
「そーだな。んじゃ、俺ら食ったらいくから、待っててくれよ。」
サラクが言う。
「はい、わかりました。こちらが勝手に決めてしまってすみません。
 急がずに、ゆっくりしてからでよろしいですからね。」
「うん、あとでね。ばいばぁい」
そして3人は店を出ていった。










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